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〜橙のあかりにサクラサク〜長崎のローカルチェーン『牛右衛門』をぜんぶめぐりたい vol.8 時津店編

2 日前
読了時間: 6分
牛右衛門 時津店

たまたま仕事で長与町を訪れる機会があった。今年で100歳を迎える方にじっくりとお話を聞いた。戦前、戦後、そして現在に至るまで。話をしてくださったのは、長い長い人生の中のほんの一欠片だけど、そのどれもが重くて肩に力が入った。言葉を失って質問が出てこない、見当違いなことを言ってしまったりもしたけど、その方はわたしの反応ひとつひとつに丁寧に返してくださった。


仕事の機会をくださった方にお礼を告げ、帰路につく。4時間も(時計を見て驚いた)こんなに集中して話を聞いたのは初めてで、とんでもなくお腹が空いていた。おみやげでいただいた袋いっぱいのみかんをひとつ食べ、少し胃袋を落ち着かせてから向かったのは牛右衛門 時津店だった。


牛右衛門 時津店
牛右衛門 時津店

オレンジのあかりにホッとする

時津町は長与町の真隣。長崎市へ行く際によく通るまちで、MrMaxのあるでかいショッピング街に一度行ったことがあるぐらい。四車線の広いロードサイドに牛右衛門の赤い看板はあった。


牛右衛門 時津店
50周年感謝祭の横断幕が目立つ。どことなく大塔店と雰囲気が似ている……?

すっかり薄暗くなった。お店から放つオレンジの光にほっとする。


牛右衛門 時津店
ぴかぴかと光る電飾看板
牛右衛門 時津店
第二駐車場の看板は年季が入ってこれまたいい感じ

牛右衛門に行くと、まず嗅ぐのが香ばしいソースのかおりだ。やはりステーキとハンバーグのお店だなと思う。

ガラス一枚で隔たれたテーブル席に案内された。座ると同時に体が椅子にずずずと沈み、ふぅーと息がもれる。落ち着く。


牛右衛門 時津店
女性と若い男性二人がてきぱきとホールを回していた

すごく間取りがゆったりとしている。満席になっても心地いいだろうな。ベビーカーが通っても苦にならない通路の広さだ。


牛右衛門 時津店
広いお座敷も、プライベートを確保しつつ開放感のある工夫が

お冷グラスはクリアカラー。グリーンなのは長崎市だけかしら?


牛右衛門 時津店

さきほどみかんを食べたせいか酸味を欲してしまっていた。50周年記念メニューのひとつ「レモンステーキ」に照準を定める。前回、諫早店で断念した方をここで回収だ!


風のような接客に気持ちがでっかく

呼び出しボタンを押そ……


お、「上を強く?」。ボタンの上部に小さな紙が貼られている。どうやら少し不具合があるようだ。一度テプラで印字したところの上に、わざわざ可愛い手描きで添えてある。


牛右衛門 時津店
わざわざフワフワの形に切り抜く手間

こういう一手間好きだなぁ……と思いながら改めてボタンを押そうと手を伸ばすと、女性のスタッフさんがサッとやってきた。

「すみません、調子が悪くて。ご注文ですね?」。それはもう風が吹くような自然なタイミングで、わたしは笑っていたと思う。清々しい気持ちでレモンステーキを指差した。

ハッと一瞬、今日の服装が白いシャツだったことを思い出したが、いいぜ、ソースの小さいひと粒やふた粒くらい受け止めてやるよ!


佐世保レモンステーキはアトラクションだ

一応地元の人間だけれど、敷居が高くてあまり馴染みのない佐世保レモンステーキ。


アツアツの鉄板に乗った薄切り肉に、スタッフさんが醤油ベースの和風ソースを回しかけた瞬間ジューッ!と香ばしい音、そして香り。気分があがる。これはもう遊園地のアトラクションと言ってもいい。


牛右衛門 時津店
ソースが跳ねてもカバーがあるから安心
牛右衛門 時津店
食べ方もしっかり伝えてくれる

レアからウェルダンまで、お好みで火を通して食べよう。レモンを思い切りしぼって酸味を楽しむのだ!ソースをたっぷり絡めて白ご飯と一緒にハフハフいただこう。


牛右衛門 時津店
わたしはレアが好き
牛右衛門 時津店
天国ね

余った白ご飯は、鉄板のソースにダンクして。最後の一滴まで味わいましょう。


牛右衛門 時津店
最後の一口までしあわせ

牛右衛門のミニグラタンはほぼパフェ

一度ごちそうさまをしたはずなのに。

わたしはなんと、まだお腹が空いていた。ここでもう一品、通常のメニューだと尻込みしてしまうところだけど、ハーフ・ミニサイズなら罪悪感を感じない不思議だ。


牛右衛門 時津店
ありがたいかつ、ダイエット中の人にとっては魔のページ

「いいんだよ」と言われているかのような淡いカラーのページに惹き込まれ、わたしは遠慮なくミニグラタンを注文した。オーダーを聞いてくれた若い男性スタッフが、レモンステーキの鉄板を下げながら「ありがとうございます!」と2回言ってくれた。こちらも「任せろ!」と気合の入った会釈で返す。


牛右衛門 時津店
ミニでも食べ応え十分

わたしはすっかりここのグラタンに取りつかれてしまったのかもしれない。まず、グラタン自体、作るのが面倒だ。牛乳はそのまま飲みたいし、小麦粉のダマを作らないように混ぜるのがわたしは何よりも苦手なのだよ!!「人に作ってもらって嬉しい料理」の上位、いや、一位だね!!!


その面倒くささだけじゃなくて、牛右衛門グラタンは味が本当に好み。こんがりチーズとコクのあるホワイトソースに加えて、極めつけはマカロニの噛みごたえがアルデンテ(表現合ってる?)。“デザート代わりのミニグラタン”という概念を牛右衛門は教えてくれた。成分的にほぼパフェだろう?  だからきっと、大丈夫だ。


「ひと」を感じるレストラン

さっき、呼び出しボタンの不具合に対応してくれた女性のスタッフさんはたぶんリーダーだ。そして、彼女をサポートするかのように、若い男性スタッフ二人が立ち回っている。そのキレのある動きっぷりは、わたしの中でブルゾンちえみwithBを想起させた。

そんな彼らの接客にも満足し、ふくれたお腹を撫でる。すると「あれ?」入るときには気がつかなかった、春満開のディスプレイが目の前に広がっていた。


牛右衛門 時津店
これで今年の花見はおわりです

見ると、「そつえん  そつぎょう  おめでとうございます」とある。桜柄のレジャーシートを2枚貼り合わせたボードには、桜の形をしたメッセージカードがぽつぽつと貼られていた。

それなりに色んなローカルチェーン店を巡ってきたつもりだけど、こんな素朴で、血が通ったものを見たのは初めてだなぁ……。

つい心を打たれて、わたしも一枚描いた。


牛右衛門 時津店
牛右衛門なのでウシを添えて

もちろん誰に向けて、ということはないんだけど、だれかの幸せを願うことが、世界のどこかでだれかしらが、ずっと続けてくれたらいいと思いながら描いた。


カードは付箋になっていて、いざ貼ろうとするも粘着力が足りない。よし力を込めてもう一度、と構えたタイミングでスタッフの女性が再びサッとやってきた。「これ、うまく貼れないんですよ、ごめんなさい!」と丁寧にセロハンテープでくっつけてくれた。だれかに何かをしてもらう経験を二度も味わい、気持ちがじんわりとあたたまった。


牛右衛門 時津店
写真右側の看板、Welcome!と迎えてくれるシェフに見覚えが。大塔店かな?

ご飯を食べにきたのに花見のあとのような清々しい気分。佐世保までの道のりを走る体力と気力をチャージして、お店を後にした。


牛右衛門 時津店
牛右衛門 時津店
牛右衛門 時津店

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