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長崎猫巡り-佐世保編-長崎の街歩きで尾曲がり猫率全国No1を体感したい!

更新日:2024年6月21日


長崎の街歩きで尾曲がり猫率全国no.1を体感したい 長崎猫巡り佐世保編

長崎に生息する猫の「尾曲がり率」は全国でトップの79.0%とのこと!


そこで猫大好きオオムギが実際に長崎の街歩きをして、長崎猫の「尾曲がり」の比率を検証したいと思います。


今回は長崎県佐世保市編。



この記事の目次



長崎の尾曲がり猫とは?


長崎の「尾曲がり」と呼ばれる猫たちは、しっぽが曲がっていたり、丸まっていたりとユニークな特徴を持っています。1990年に京都大学の野沢謙名誉教授が全国の1万2千匹を対象に尾曲がり猫を調査したところ、長崎県では、猫の「尾曲がり率」が全国でトップの79.0%という結果になりました。尾曲がり猫は主に3つのタイプがあります。

(1)曲がりしっぽ、(2)短尾、(3)団子しっぽ


これらのタイプは長崎県内では一般的で、まっすぐなしっぽの猫が珍しいと地元の人々も感じているようです。



尾曲がり猫の種類 左から曲がりしっぽ、短尾、団子しっぽ
左から曲がりしっぽ、短尾、団子しっぽ。

長崎市の市民団体「長崎ネコ学会」によると、日本に尾曲がり猫が現れたのは江戸時代ではないかとのこと。


インドネシアをルーツとする尾曲がり猫の祖先が、日本で唯一海外貿易の拠点であった長崎に、積荷をネズミから守るために船に乗せられてやってきたのではないかといわれています。


「尾曲がり猫」は一般的に「かぎしっぽ」ともいわれており、日本や中国では蔵の錠前を守ってくれる商売繁盛の象徴として、多くの商人から愛されてきました。ヨーロッパでも「幸運の扉を開く」と言い伝えがあるそうです。また、鍵のように曲がった形状から、「しっぽに幸運を引っ掛けてきてくれる」といわれ、幸運の象徴とされることもあるとのことです。



著者の飼い猫ムギの写真。茶トラ猫で、尾の先が内側に丸まっている
私の飼い猫ムギも佐世保市出身の「尾曲がり猫」。生まれつきしっぽの先が内側に曲がっています。

戸尾町エリア


まずは手始めに、以前人懐こい猫を見かけたことがある戸尾町を散策することにしました。

この地区には大正時代から市民に親しまれてきた戸尾市場街があります。

戦時中の防空壕をそのまま活かして作られた「とんねる横丁」は、昔ながらの商店が数多く立ち並び、どこか懐かしい雰囲気が漂うエリア。



昔ながらの商店が立ち並ぶ戸尾町の遠景

鮮魚店や青果、衣料品店などがあり「佐世保の台所」とも称される戸尾市場ですが、撮影した日が日曜日のため閉まっている商店も多かった印象です。


普段より静かとはいえ、探し始めたばかりでそんな簡単に出会えるわけないよね、と不安に思っていると…



戸尾町の道端で背を向けて座っている茶白の猫

!!!

写真を撮っている時は気が付きませんでしたが、なんと茶白の猫さんが座っていました。

 

人が行き交う中、なんだかとっても堂々とした姿。


右手で地面を探っている茶白の猫

歩いている茶白の猫 尻尾の先が丸まっているのがわかる

別角度の写真。たしかにしっぽの先が曲がっていますので、短尾の尾曲がり猫で間違いなさそう。

左のお耳がカットされていましたので、この子は「さくらねこ※」のようです。


※さくらねことは

「公益財団法人どうぶつ基金」が推進している「さくらねこTNR(TNR先行型地域猫活動)」の一環です。

飼い主のいない猫に不妊手術を実施することで繁殖を防止し、「地域猫」や「さくらねこ」として一代限りの命を全うさせ、飼い主のいない猫に関する苦情や殺処分の減少に寄与する活動です。

不妊手術が完了した証として、麻酔下でオス猫は右耳、メス猫は左の耳がV字に切り取られます。

その耳の形状が桜の花びらのようであることから「さくらねこ」と名付けられています。




念の為商店街の端まで歩いたものの、他に猫の姿は見当たらなかったので、この子が裏路地に入って行く姿を見送って戸尾エリアを後にしました。




四ヶ町エリア


さっそく念願の尾曲がり猫に出会え、幸先のいいスタートで佐世保の中心街、四ヶ町アーケードへ移動。調べたところ、「四ヶ町」の名前の由来は上京町・下京町・本島町・島瀬町の4つの町で形成されていることからなのだそうです。



四ヶ町アーケード入口付近 文字の赤いさせぼ四ヶ町の看板が見える

アーケードに沿って猫が好みそうな裏通りを歩いてみますが、なかなか見つかりません。

そういえば編集長が掲載した「佐世保中央駅に地域猫がいるから優しく見守ろうよ」的な記事があったような(※そんな趣旨の記事ではない)、と思い出しローカル線の佐世保中央駅へ。


佐世保中央駅入口付近

猫の子どころか真昼なのに人の子もいません。ひっそり。

 

引き返して、更に裏路地に入った辺りでふと上を見上げたところ。

 


いた!!坂の上に連なる民家の塀に猫発見!


民家の塀の上を歩いているキジ白の猫 画質は悪い

遠い!所持しているスマホのカメラアプリでは拡大してこの画質が限界のようです…。


塀の中に降りようとおしりをこちらに向けてている猫の様子

塀の中に降りるため、おしりをこちらに向けてくれました。まるで私の意図を見透かしたかのよう。

しっぽの長さはおそらく15センチほどで「中尾」の猫さんと思われます。


肝心のしっぽは先が曲がっているような気もしますが…遠くて確認できず、民家に立ち入るわけにもいかないので引き返すことに。

 


思わぬ出会いに喜びつつ、もう一度佐世保中央駅に戻ると、先ほどはなかった小さな影が。


佐世保中央駅の地面に横たわるキジ猫 尻尾の先が外側に丸まっている

恐る恐る接近すると、生後4〜5か月と思われる子猫さん。すぐに逃げる様子はなく、なんと真上から撮影させてくれました。地面が暖かいのか、大胆に横たわる姿がかわいらしいです。

写真でも一目瞭然ですが、しっぽの先が外側に曲がっているので、この子は確実に「尾曲がり猫」。


幸運にも四ヶ町では2匹の猫さんに出会えたのでした。




五番街〜国際港エリア


四ヶ町を抜けると、街歩きを始めた頃はやや曇っていたのに青空が。夏の到来を思わせる気温になってきました、とても暑い。そのまま歩いて5分ほどで五番街へ移動します。


佐世保五番街遠景。海沿いにSASEBOという文字の白いモニュメントが設置されている

「五番街」は港を擁する商業施設で、休日毎にさまざまなイベントが催されています。


国際ターミナルから五番街に向かって撮影。海に黒い自衛艦が停泊している。

五番街から海沿いを歩いて、佐世保駅の裏手(写真右側)を通り過ぎると国際ターミナルに到達。撮影日は自衛艦が停泊しており、軍港として発展してきた街佐世保の雰囲気をより身近に感じることができました。


佐世保国際ターミナルの外観。建物の前には船が停泊するための港がある

クルーズ客船の停泊予定がないのか、施設は閉ざされていて静かです。

 


国際ターミナルの敷地を遠目に見渡してみましたが猫の姿はどこにもなく。

引き返そうとしてふと、真横にある青果市場の敷地を振り返ると、なんとそこに猫さんがいました!それも2匹も!

行くときもいたはずなのに、国際ターミナルにばかり気持ちが向いていて気付かなかったようです。


青果市場敷地内の資材の横で眠る三毛猫。ちょうど日陰である

1匹は三毛猫のように見えます。お昼寝中ですね…うーん、しっぽが見えない。


資材の隙間から少しだけ見える三毛猫のおしり

場所を変えて…おわかりいただけただろうか…。


いやわからん!

 

今更ながら自分の撮影技術が絶望的すぎる。ついでに拡大するとガビガビしてくるカメラもひどい。編集長のカメラほど高望みはしないからもっと頑張ってほしい!

 

試行錯誤しているうちに怪しい気配を察したのか、猫さんが起きて移動を始めたので、再度撮影にチャレンジしてみます。


三毛猫のしっぽ。資材の影で暗くてよく判別できない

写真ではわかりにくいけれども、どうやらしっぽが内側にくるんと丸まっているタイプのよう。 戸尾町で出会った猫さんのしっぽと同じような骨格です。


青果市場敷地内の資材の影で休んでいるキジトラ白の猫

そして近くにもう1匹いたキジトラ白の猫さん。

 

この子もお昼寝中でした。忍び寄る怪しい気配をものともせず眠っている様子です。しっぽの先は脚に乗っているように見えます…いやもしかするとしっぽの先だけ少し曲がっている可能性も?正確に確認するには歩いている姿を撮影するのがベストだけれども、驚かせたり、無理に起こしたりしたくない…。


このままそっとしておくことにしました。付近を通りかかった年配の男性が物珍しそうに撮影の様子を眺めていたので話を聞いてみると、以前この周辺にはさらに多くの猫がいたのだとか。

近頃はだいぶ減ったねぇ〜と優しい眼差しで眠っている猫を見つめていた姿が印象的でした。

 

このエリアの2匹も「さくらねこ」でしたので、おそらく他の猫さんたちも同じように地域で見守られていたのではないでしょうか。




九十九島パールシーリゾートエリア


最後の散策地候補、九十九島パールシーリゾートへ移動してきました。九十九島パールシーリゾートは、佐世保市の西側の海沿い、西海国立公園九十九島の拠点となる複合施設です。

水族館「海きらら」や、遊覧船による島巡り、シーカヤック体験などが楽しめます。

 

私が取材した時季はGW〜夏休み前で、この他にもいろいろな体験イベントが用意されているようでした。



広大な九十九島パールシーリゾートのグランドデッキ。右手は海

写真はグランドデッキ。水族館海きららの裏手の方です。


グランドデッキの奥の森にある展望台から見た九十九島と海。空はよく晴れ渡っている

グランドデッキの奥の森に入るとちょっとした展望台のようなものがあり、九十九島を望む海の景色が楽しめます。


ここまで猫の気配はなかったため半ば諦めていましたが、森の先にある公園まで歩いたところ思わぬ出会いがありました。


ベンチの上と下でご飯を食べている猫2匹

2匹の猫さんにご飯をあげているご婦人2名と遭遇。お二人は仲良しのご近所さんで、天気の良い日は時々散歩にやって来るのだそうです。


企画の趣旨と尾曲がり猫を探している旨伝え、猫を撮影させてほしい、とお願いすると快くOKをいただきました。

 

ご婦人:(しっぽの短いキジトラを指して)この子は尾曲がりやろ?

オオムギ:本当、尾曲がりですね!2匹ともここではよく見る子なのですか?

ご婦人:ううん、尾曲がりの方だけ。この子は地域猫※で、ここで見守りしている5匹のうちの1匹よ。白い子は新参者やね、最近来た子よ。

オオムギ:普段は見ない子もいるのですね!お二人はいつもここで猫の見守りをしていらっしゃるのですか?

ご婦人:まあいつも見守っているって大げさなことじゃなかばってん…そうやね。前はもっと猫がおったけど、保護されたり、場所を移されたり、猫の数はかなり減ったっちゃないかな。


※地域猫とは

地域住民の同意の元、

・不妊去勢手術をすること

・餌はあげたら必ず片付けし持ち帰ること

・排泄物の掃除をすること

などを条件に、飼い主のいない猫が一代限りの生涯を終えるまで適切に面倒を見ていく活動のことです。



背を向けて一心にご飯を食べているキジトラ白猫。尻尾は短く、わずかに内側に折れている

たしかにしっぽの先が曲がっています。ご飯に夢中の尾曲がり猫さん。


豆大福のような毛色の猫が座っている。尻尾部分は黒くまっすぐに伸びている

ご婦人に新参者、と呼ばれていた子はノーマルのしっぽでした。豆大福のようなかわいい毛色です。

 


撮影を終え、ご婦人がたにお邪魔したお詫びとお礼を言って公園を後に。この時点でかなり日も傾き始めたので、パールシーリゾートの施設に戻ってひと休み…と思ったところ、なんとなく気になる階段を発見したので登ってみることに。


木々に囲まれた石造りの階段。階段下には華やかな花壇がある

正面を向いて座っているキジトラ白猫。右耳は桜の花びらのようにカットされている

えっ!?ウソ!登った先で新たな猫さんとエンカウント。

 

よく来たな、みたいなお顔です。頼めば世界の半分をくれそうな佇まい。

 

ただしこの角度から見る限り、しっぽが体の下になっていて形状まではわからないかも、と思いあと1歩だけ踏みだすと


キジトラ白猫をやや上から撮影。やや警戒した表情。尻尾はまっすぐだ

警戒体制に入ったのかしっぽを見せてくれました。おお、ノーマル!ノーマルのしっぽ!!ありがとう見せてくれて! この子の耳もさくらカットしてありました。先ほどのご婦人が話してくれた地域猫5匹衆の中の1匹かもしれません。




おまけ


日が暮れる前にようやく家に帰り着きまして。

 

帰ったよムギ。ムギさん?

いつも玄関で出迎えてくれる飼い猫ムギ、今日は出てきません。どうやら窓の外が気になるようで、カーテンの裏で短く鳴いています。

 

気になってムギの視線の先を追うと


砂利の上にすわっている黒のぶち猫が窓越しにこちらを見ている

えええ!?

窓の外にご近所でも見たことないブチ猫さんおる!そんな奇跡ある!?


画像の右端に猫の後ろ脚と黒い尻尾が写っているが、画質が悪い

慌てて写真を撮るため窓越しに近づこうとしたら、驚かせてしまったようで逃げてしまいました。かろうじて撮影できたしっぽがこちら。

 

しっぽの先が膨らんでいます。尾曲がりの可能性大ですが、これだけではなんとも言えないですね…。残念ですが判定不能とします。


 

ここまでで今回の猫巡りの取材完了です。それにしてもこの日は思っていた以上に数多くの猫さんに遭遇できてとても幸せでした。




長崎猫巡り佐世保編の結果


驚いた顔の茶トラ猫のイラスト Amazing


出会った猫・・・・9匹

尾曲がり猫・・・・4匹(44.4%)

ノーマルの尻尾・・2匹

判定不能・・・・・3匹





判定不能が気になるところですが、出会った猫のうち約半数は尾曲がりだったいうことで、オオムギ的にはとても満足です。撮影日に出会った尾曲がり猫の中でも、短めのしっぽが多かったのも特徴的だと感じました。 また、不妊手術を施した証である「さくらねこ」がほとんどで、佐世保市でも小さな命を尊重するための試みが継続して続けられているのだと感じることができました。




猫耳学 猫と過ごす夏に向けて



ねこみみがk

現在の猫(イエネコ)の祖先はDNAの解析結果でリビアヤマネコと判明しています。生息する地域によって多少異なりますが、砂漠という過酷な環境に適応していたDNAによって、猫は暑さに強いそうです。

しかし元々水が少ない地域で生き延びてきたために、水分補給を忘れがちになってしまいます。

これから夏に向けて、飲水量をチェックする、エアコンを適切な温度で使用する、など、愛猫の熱中症対策には気をつけましょう。


 

・猫は暑さには強いけれども、対策が不要というわけではありません。

・室温が28度以上になると熱中症の危険があるため、外出時もエアコンをつけるなど工夫しましょう。

・飲水量をチェックする、猫が普段通る場所に複数箇所水を設置するなど、脱水に気をつけましょう。

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最強プロライター

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